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国民の権利及び義務 第10条~第40条
第11条 基本的人権の享有と本質

【弁護士】 憲法11条前段は、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。」と定めています。当たり前のことを規定しているようにみえませんか?

【生徒】 うーん、当たり前のことなような気もしますが、いまいちピンとこないです。

【弁護士】 それは「享有」という言葉をあまり聞かないからかな?!享有というのは、生まれながらにして持っているということです。

【生徒】 そうすると、11条前段は、国民は生まれながらにして基本的人権を持つことが認められているということを規定しているのですね。確かに当たり前のことを規定しているように感じます。

【弁護士】 そのように感じてしまいますよね。
では、国民が、基本的人権を持つために、何か要件があるとどうなりますか。

【生徒】 基本的人権が保障されない人が出現する可能性があると思います。

【弁護士】 そうですね。基本的人権が保障されない人が出現しうる社会は、自然権思想から離れた社会ですよね。憲法11条前段は、基本的人権は、人種・性別・身分等の区別に関係なく、人間であれば当然に享有できる権利なのだということをあらわした規定なのです。このような性質を「人権の普遍性」といいます。

憲法11条後段は、「この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。」と定めています。後段は二つのことを言っていますね。

【生徒】 はい。①「侵すことのできない永久の権利」と②「現在及び将来の国民に与えられる」の二つです。

【弁護士】 そうですね。まず①「侵すことのできない永久の権利」について考えてみましょう。「侵す」というのは、何を主体として想定しているのでしょうか。

【生徒】 主体っていうのは、つまり誰がということですよね!うーーん。誰だろう。自分以外の人全員かな?

【弁護士】 確かに自分以外の人であれば、その人の権利を侵すことができるでしょう。ただ11条後段で考えられている主体は、そうではありません。人権は、国王などの独裁者の権利濫用に対抗するものとして生成されてきました。したがって、ここで想定されている主体は、公権力です。

【生徒】 分かりました!①「侵すことのできない永久の権利」というのは、人権が公権力によって侵害されるものではないという性質のあらわれなのですね?

【弁護士】 その通りです。そのような性質を、「人権の不可侵性」といいます。
次に、②「現在及び将来の国民に与えられる」について考えてみましょう。

【生徒】 これは、基本的人権が、今現在国民である者にも、将来国民となる者にも与えられるということですよね?将来の国民のことまで配慮しているのですね。

【弁護士】 もとろん将来の国民の人権にも配慮しているでしょう。ただ、ここで意識すべきは、自然権思想です。つまり、人権は、天皇や憲法そのものから与えられたものではなく、人であることにより当然に有する権利であるということです。このような性質を、人権の固有性といいます。

【生徒】 なるほど!ということは、②「現在及び将来の国民に与えられる」というのは、人権の固有性のあらわれなのですね。

【弁護士】 はい。

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