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国民の権利及び義務 第10条~第40条
第19条 思想及び良心の自由

【弁護士】 憲法19条は、「思想及び良心の自由」を「侵してはならない」としています。でも、これだけ読んでも、「ふーん。そうなんだ」としか思いませんよね。

【生徒】 そうですね。いまいちピンと来ませんね。そもそも、①「思想及び良心」がどのようなものなのか、②「侵してはならない」というのがどのような事態を想定しているのか、よくわかりません。

【弁護士】 そうですね。これだけじゃ、あまりに抽象的すぎますよね。では、①の疑問から順番に見ていきましょう。

【生徒】 まず、①「思想及び良心の自由」とはなんですか?

【弁護士】 「思想及び良心の自由」とは、簡単に言うと「心で何を考えていてもいいよ!」ということです。ここでは、「思想」と「良心」という2つの言葉が用いられていますが、両者に意味の違いはありません。したがって、「内心の自由」と言い換えた方が分かりやすいかもしれませんね。

【生徒】 頭の中でなら、何を考えていてもいいんですか!そんな太っ腹な条文があるなんて!でも先生、極端なことを言えば、「あいつを殺してやろう」とか「あいつの財布を盗んでやろう」とか、そういうアブナイことを考えていても、憲法が守ってくれるんですか?

【弁護士】 残念ながら、憲法はそこまで優しくないです。一般的には、「思想及び良心」は「人格形成に役立つもの」に限られる、と考えられています。例えば、支持する政党の選択、人生観、主義・主張などです。したがって、犯罪の意図とかは、「思想及び良心」には当たらないのです。

【生徒】 そうですか。残念です。

【弁護士】 何かたくらんでいたんですか?

【生徒】 い、いえ!なんでもありません。それより先生、「侵してはならない」という話に移りましょうよ。

【弁護士】 …まあよいでしょう。では、次のステップに行きましょう。②「侵してはならない」というのは、3つのケースを想定しています。それは、思想強制の禁止、不利益取扱の禁止、露見の強制の禁止です。

【生徒】 えーなんか漢字ばっかりだなぁ…よくわかりません!もっと噛み砕いてくれませんか?

【弁護士】 もちろんです。「思想強制の禁止」とは、特定の思想を強制してはダメということです。例えば、国のお偉いさんがあなたの家に来て「これからはキリスト教信仰してね!無視するとどうなるか、分かってるよね?」と言うのを禁止するのです。

【生徒】 なるほど…それは嫌ですね。では、「不利益取扱の禁止」とはなんですか?

【弁護士】 「不利益取扱の禁止」とは、特定の思想を理由に不利益に取り扱ってはダメということです。例えば、仏教学校には補助金をあげるけど、キリスト教の学校には補助金あげない、というようなことがあります。

【生徒】 それは差別ですね。では、最後に「露見の強制の禁止」とはなんですか?

【弁護士】 言葉が難しいですけど、要するに、何考えてるのかを無理やり言わせたらダメ、ということです。例えば、踏絵がそうですね。

【生徒】 なるほどなぁ。でも、実際にそんなことありうるんですか?

【弁護士】 今では考えにくいかもしれませんが、昔、日本では思想を理由としていろんな人が結構ひどいことされていたんですよね。島流しされたとか。だから日本では、特に敏感になって19条を設置したんです。世界的には珍しい例のようですね。

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