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国民の権利及び義務 第10条~第40条
第26条 教育を受ける権利、教育をうけさせる義務、義務教育の無償

【生徒】 うーん。やっぱりこの条文には納得いきません。特に2項の方では、普通教育を受けさせる義務と書いていますよ。勉強しろと言っているみたいで、何だか憲法はおせっかいだと感じます。

【弁護士】 憲法は国民のことを思って、このような規定をしているのです。考えてみてください。もし、教育を受ける権利がなければ、国民のごく一部しか普通教育を受けられなくなるかも知れません。そうしたら、文字の読み書きも、足し算や掛け算も習う機会のないまま、大人になってしまうかも知れません。世の中でどういうことが起こっているかを知ることもできず、物事に対する十分な判断もできない人になってしまう可能性もあります。
国が国として機能して、国民が国民として判断し、暮らしていくためには、教育とは不可欠のものなのです。

【生徒】 なるほど…。そんなに大事だからこそ、義務教育は無償だとわざわざ憲法に書いてあるんですね。

【弁護士】 そういうことです。憲法26条は1項で子供の学習権も保障し、2項で権利の裏返しとして、義務を課しているのです。

【生徒】 子供の学習権を保障している…ということは、2項の義務は親の義務ってことですか?

【弁護士】 そう。2項にも「保護する子女に……義務を負う」とあります。ただ、それだけではなくて、国も義務を負っているとされています。親が学校に通わせたいと思っても、学校や教育制度が整備されていないと意味がないですからね。これは、教育を受ける権利の社会権的側面と言われています。

【生徒】 先生の話は、すぐに小難しくなりますね。社会権的側面?

【弁護士】 社会権については、人権総論に関する事項なので、そこで勉強しましょう。

【生徒】 じゃあ、要は、義務は親にも国にもあるということですよね。

【弁護士】 そうですね。ただ、このことについて少し問題になった判例があります。憲法23条のところで紹介した旭川学テ事件です。

【生徒】 何が問題になったんですか?

【弁護士】 実は、従来から子どもの教育について誰が主に責任を持っているんだという点で、国家が持っているという考え方と、親や教師といった国民全体が持っていて、国は制度を整備する任務を負うにとどまるという考え方の2つで争いがあったのです。
旭川学テ事件は、この問題について決着をつけました。

【生徒】 最高裁は何て言ったのですか?

【弁護士】 どちらも極端な考え方でどちらも全面的に採用できないと言ったんです。

【生徒】 そうなんですか。どっちの考え方もダメということですか。

【弁護士】 ダメというわけではないのですが、教育内容を誰が決めるべきかという問題は簡単に結論が出せる話ではないということですかね。
誰かにのみ決定権や責任があるということではなく、親などの保護者や教師、国が一丸になり、また各々の役割を分担して教育の実現をしていくべきという考え方も有力なんですよ。

【生徒】 なるほど。

【弁護士】 憲法26条についてはこの辺にしておきましょう。あなたが憲法について自由に学び、理解することができるのも、憲法23条や26条のおかげなのですよ。

【生徒】 憲法とは私たちの知らないところで私たちを守ってくれているのですね。

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