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国民の権利及び義務 第10条~第40条
第35条 住居侵入・捜索・押収に対する保障

【弁護士】 35条は、1項で「何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条(現行犯逮捕以外は令状によらなければ逮捕されない)の場合を除いては、正当な理由に基づいて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない」と規定します。
 簡単に言うと、「住居、書類及び所持品」について、国等による自分勝手な「侵入、捜索及び押収」を禁止していることになります。

【生徒】 国民に対する人権侵害を防ぐのですね。
そういえば、「簡単に言うと~」のところで、なぜ、「国等」とぼやかしたのですか?

【弁護士】 いい質問ですね。
そもそも、(人権総論のところで学んだかも知れないけれど、)日本国憲法は、国と国民の間を規律する法であって、憲法は、国王が絶対的な権力を保持して国民を支配したという中世のような状況を避けるために、国から国民を守ります。
これを、35条との関係でいうと、「国」とは、警察官・検察官といった捜査機関が主になります。もっとも、捜査機関だけではなく、行政の活動が積極的・活発的になっている現代社会では、行政機関も国民の権利を害する可能性が増えてきました。だから、35条との関係での「国」には、行政機関も含まれることになります。

【生徒】 じゃあ、僕を含めた日本国民は、「住居、書類及び所持品」について、絶対に国等による自分勝手な「侵入、捜索及び押収」をされないのですか?

【弁護士】 絶対というわけではありません。例外が2つあります。
まず、35条1項は、33条の場合は、「住居、書類及び所持品」について、国等による「侵入、捜索及び押収」を認めています。33条の場合とは、令状による適法な逮捕の場合を言います。

【生徒】 なぜ33条による場合だけ例外的なのですか?

【弁護士】 令状による適法な逮捕の場合に、「住居、書類及び所持品」について、国等による「侵入、捜索及び押収」を認めないと、スムーズに逮捕することができないからです。

【生徒】 なるほど、では二つ目の例外は何ですか?

【弁護士】 35条1項は、「正当な理由に基づいて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状」があれば、「住居、書類及び所持品」について、国等による「侵入、捜索及び押収」が認められます。この令状は、35条2項によって、司法官憲(裁判官)が個別の侵入等について格別に発したものでなければならない、とされています。国等の自分勝手ではなく、裁判官が事前に審査して令状を発付してからの侵入等だから許されます。

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