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戦争の放棄 第9条
第9条 戦争の放棄、軍備及び交戦権の否認

9条1項
戦争の放棄、戦力及び交戦権の否認

【弁護士】 第9条には、まず1項で、戦争や武力による威嚇、武力の行使を放棄することが書かれています。続いて、2項では、陸海空軍その他の戦力を保持しないことと、交戦権を認めないことが書かれています。

【生徒】 ニュースなどで色々と話題になる規定ですよね。それだけ議論になる点があるということなんだろうけど、ぱっと見た感じでは特にそんなことは感じないなあ。

【弁護士】 そうでしょうか。それでは例えば、よく条文を読むと、「国権の発動たる戦争」を放棄すると書かれています。これは普通に見聞きする「戦争」と同じ意味でしょうか?

【生徒】 そう尋ねられると、きっと何か違う意味があるんでしょうけど、戦争に普通も特殊もあるのかな・・・?

【弁護士】 基本的には、単に戦争というのと同じ意味なんです。ただ、「国権の発動たる戦争」とは、国際法の適用を受けて、宣戦布告・最後通牒といった正式な手続きを経て行う戦争のことです(これを形式的意味の戦争ともいう)。国家の権利(主権)に基づいて、国家間で武力闘争をするということですね。
これに対し、そういった手続きも経ずに行われる事実上の戦争もあるので(これを実質的意味の戦争ともいう。例えば満州事変など)、一応これと区別されるわけですね。

【生徒】 そういうことなんですか。でも、そうなると、正式な手続きを踏まない事実上の戦争は放棄していないということですか?それだと意味がないような・・・

【弁護士】 そうなりかねませんよね。でも、大丈夫です。事実上の戦争こそが「武力の行使」の意味ですから。したがって、こちらも放棄しているわけです。また、ついでに言うと「武力による威嚇」とは、武力を背景に自国の要求を相手国に強要し、実現することを言います。この例としては、独仏露の対日三国干渉が挙げられますが、このような国際的な脅迫行為は戦争の誘因となるので、やはり放棄しているのです。

【生徒】 なるほど。では、やはり「国際紛争を解決する手段としては・・・放棄する」と書かれていることにも何か意味がありそうですね。

【弁護士】 その通りですね。まず、「国際紛争を解決する手段」としての戦争とは、具体的には侵略戦争を意味します。

【生徒】 では、日本は侵略戦争を放棄している、ということですか。

【弁護士】 実はそこには争いがあります。2項の「前項の目的を達するため」の意味の解釈と結びついて、様々な議論があるところです。ただ、大別すると、あくまで侵略戦争を放棄しているに過ぎず自衛戦争は放棄していないのだ、と考える立場と、およそ全ての戦争を放棄しているのだ、と考える立場があります。
自衛といって侵略戦争を行ってきた過去の経験などからすれば、基本的には全ての戦争を放棄していると考えるのが通常だと思われます。

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