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天皇 第1条~8条
第6条 天皇の任命権

【弁護士】 1項では,天皇陛下は国会の指名によって,内閣総理大臣を任命するということを定めています。

2項では,天皇陛下は内閣の指名によって,最高裁判所長官を任命するということを定めています。

内閣総理大臣が新しく誕生したときに,必ず,天皇陛下が内閣総理大臣を任命する場面がテレビで報道されるはずです。
ああいうのが国事行為です。

【生徒】 うーん,内閣総理大臣って,日本で一番権力のある人ですよね。
一番権力のある人を任命するというのは,なんか,政治的な行為みたいに思うんですが…

【弁護士】 それは,とてもいい質問ですね。
たしかに,「任命」というのは,「おまえに任せた。やってこい!」という,言ってみれば人事ですから,たしかに権力的な要素が本来はあるわけです。

【生徒】 やっぱり。

【弁護士】 ですから,もし,天皇陛下が自由に内閣総理大臣を選べるようであれば,それはたしかに政治的な行為です。

【生徒】 実際には,自由には選べないんですか?

【弁護士】 内閣総理大臣は,まず,国会で指名されるんですよ。
そして,国会で指名された人を,天皇陛下が内閣総理大臣として指名するわけですね。
国会で「指名」された人以外を任命したらダメなんですよ。 天皇陛下は,自分の選択で「任命しない」ということはできないんですね。
だから,この場合の「任命」は形式的で儀礼的な行為ということになるんですね。

【生徒】 なるほど。 最高裁判所の長官を任命するという行為も,「内閣の指名」した人を絶対に任命しないといけないから,形式的で儀礼的だ,ということになるんですね。

【弁護士】 そのとおりです。

【生徒】 あ,質問。

【弁護士】 はい,なんですか?

【生徒】 よく,内閣,裁判所,ときたら,次は国会だと思うですけど,国会については,天皇陛下は任命しないんですか?

【弁護士】 ほう,よく気づきましたね。 そう,国家権力には三権ありますね。
内閣総理大臣がトップなのが行政権
裁判所がトップなのが司法権
国会がトップなのが立法権ですね。

【生徒】 はい。三権分立というのを中学生のときに教わりました。

【弁護士】 国会については,次の7条で 天皇が「国会を召集する」という国事行為をすることになっています。
国会というのは,一人でやるわけではなくて,多くの国会議員を集めないといけないのです。
なにしろ衆議院の議員だけで500人以上。 一人一人の国会議員を全部天皇陛下が任命していたら,とても大変になってしまいます。
ですので,国会については,任命ではなく召集をするということになっているんですよ。

【生徒】 なるほどです。 この6条というのが,天皇のおこなう国事行為のうち,もっとも重要な2つのことを書いていました。

【弁護士】 たしかに,内閣総理大臣というのは,日本で一番権力がある人ですね。 権力がある人を任命するわけですから,重要であることはよくわかります。 最高裁判所の長官というのも,内閣総理大臣なみに重要なんですよ。

【生徒】 そうなんですね。はじめて認識しました。
でも,なんというか,内閣総理大臣って,テレビや新聞でみるから,よく知っているんですが,最高裁判所の長官って,名前とかあんまり知らないから,そんなに偉い人っていうイメージがないんですけど…

【弁護士】 ははは(笑
これは手厳しい。
まあ,たしかに,日本の最高裁判所の長官というのは,たしかに,一般市民にとって,なじみはうすいでしょう。
言ってみれば,日本の司法権というのは,あんまり活躍の場がないということでもあるんです。

【生徒】 でも,アメリカはちがうんですよね。

【弁護士】 アメリカでは,日本の最高裁判所にあたる,連邦最高裁判所の長官というのは,すごく有名で,新聞にも出るんですよ。
アメリカでは,裁判所の判断が政治的な問題にも大きく関係してくるところがあるんですよね。 日本とは大きくちがうところです。

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